メタファーの弊害

遠くの山が青く見えるのは、簡単に言うと青色以外の反射光が目まで届かないからだそうだ、近くの植物の葉を見ると、青の他に赤と緑の光も含まれた反射光を見ているので、本来の緑色に見える。

5歳くらいの子どもがお絵かきで山を描く時には、たいてい緑で塗ってしまうだろう。既に樹木や植物は緑色をしているのが普通であると認識してしまったからだ。もし遠くの山を青色で描く子どもがいたら、それこそ天賦の才能なのだろう。当然ながら私も、他の大多数の子どもたちと同様に、山は必ず緑で描いていたくちだ。

問題なのは、植物の葉は緑色であると既に認識しているので、遠くの山が青色に見えるという事実に気が付かないことである。自分は遠くの山を、現実の姿である青色のシルエットとして捉えているだろうか?